技術情報

技適マーク取得に必要な条件

はじめに

日本国内で無線機器を使用する場合、微弱無線以外は技適マークが必要になります。また海外で使用する場合はそれぞれの国で求められている認証を取得した無線機器を使用する必要があります。

このページでは日本国内で特定小電力無線機器の技適取得時に必要になる項目について触れたいと思います。

主な項目

特定小電力無線で求められる主な項目は以下の通りです。使用する周波数帯によって条件が異なります。

通信方式

単向、単信、同報、半複信、複信など使用できる通信方式が定められています。

通信内容

通信内容について定められています。400MHzの特定小電力無線の場合はテレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用と記載されています。
通信内容は使用する周波数帯ごとに異なります。

電波型式

使用できる電波型式が定められています。主搬送波の変調の型式、主搬送波を変調する信号の性質、伝送情報の型式の3つの項目を組み合わせた記号で記載されています。2値FSKの場合F1Dになります。

使用周波数

周波数帯ごとに使用できる周波数が定められています。周波数については中心周波数からの許容偏差も定められています。許容誤差は周波数帯幅が狭いものであれば数ppm、少し広いものであれば数十ppm以内になります。
ppm : parts per million (100万分の1)

空中線電力

使用できる給電点での電力が定められています。許容偏差についても定められています。400MHzの特定小電力無線の場合、上限は+20%、下限は-50%になります。

占有周波数帯幅

送信時に占有する周波数帯幅について定められています。通信速度が速くなればなるほど占有周波数帯幅は広くなります。400MHzの特定小電力無線を12.5kHz間隔で使用する場合、8.5kHz以下になります。

隣接チャネル漏洩電力

規定の周波数間隔離れた隣接チャネルでの電力が定められています。400MHzの特定小電力無線の場合、搬送波電力より40dB以上低くする必要があります。

スプリアス発射又は不要発射の強度

使用する周波数帯外の不要発射の強度が定められています。大きく分けて「帯域外発射」と「不要発射」があります。

平成17 年12 月1 日以降適用されるルールが変わっています。

副次的に発する電波等の限度

無線機が受信状態または待ち受け状態の時、送信を意図しなくても空中線端子から出てしまう高周波信号の限度について定められています。

混信防止機能

電気通信回線への接続の有無により必要条件は異なりますが、識別符号や周波数の切替え、容易に電波の発射を停止することができる機能を指します。

通信相手の識別

受信した電波から通信の相手の無線局の識別符号を検出する機能を指します。主に電気通信回線に接続する場合は必要になります。

送信時間制限

電波を発射してから停止するまでの時間、休止時間、1時間あたりの送信時間総和等が定められています。規定時間送信を行った場合必ず休止しなければなりません。

キャリアセンス

送信を行う前に一定時間周波数チャネルの空き状況を確認し、ある信号強度以上の信号があった場合は送信を行わない機能が必要です。
周波数チャネルの空き状況の監視時間、空き状況の判定レベルは使用する周波数帯ごとに異なります。

アンテナ

空中線の利得について定められています。メーカーが指定したアンテナ以外を使用した場合は電波法違反となる場合がありますので必ず指定されたアンテナを使用する必要があります。

その他

筐体などについて定められています。

筐体については無線設備は一の筐体に収め、容易に開けることができない構造が求められる場合があります。

禁止事項

技適マーク付いた製品でも、以下のようなことを行うと電波法違反になります。

分解・改造

無線部は特殊ねじなどにより使用者が簡単に開けられない構造になっています。無理に開けたり部品を交換した場合、技適マークが無効となり電波法違反となります。また外付けのブースターなどにより送信機の出力を上げるなどの改造も禁止されています。修理などにより部品を交換する場合でもメーカーまたは指定業者にて行う必要があります。

技適マークを剥がす、付け替える

技適マークの無い製品を使用すると電波法違反になりますので技適マークが見えなくなるようにラベルを剥がしたり、上から別のラベルを貼るなどしないでください。また勝手に技適マークを付けたり、製品名・製造者名を変更してラベルを変える行為も違反となります。

指定以外のアンテナの使用

メーカーや販売店が指定したアンテナ以外を使用した場合電波法違反になる場合がありますので、必ず指定されたアンテナを使用してください。また接続・延長ケーブルが指定されている場合もありますので、不明なときはメーカーのWebや問い合わせ等により確認をしてください。

検索ページ

技適マークの付いた製品の情報は総務省の電波利用ホームページ内の技術基準適合証明等を受けた機器の検索から確認することができます。技適番号以外に氏名・名称や型式・名称でも検索可能です。