技術情報

フレネルゾーン計算ツール

周波数と距離のパラメータを入力することにより、フレネルゾーンを考慮した理想的なアンテナ高とフレネル半径の60%のアンテナ高の計算ができます。

❶ あなたの使う無線の周波数をMHz単位で入力してください

周波数  MHz


❷ 通信距離をm単位で入力してください

距離  m


理想のアンテナ高さは


フレネル半径の60%のアンテナ高さは

フレネルゾーンは、無線通信を行うときによく使う「見通し」を示すゾーン(空間)のことをいいます。無線通信では「見通しが良い」ということは、単にお互いのアンテナが見えるという意味ではなく、フレネルゾーンがしっかり確保されている状態を指します。

フレネルゾーン立体図

フレネルゾーンは楕円体で、第1フレネルゾーン、第2フレネルゾーン…と外側に広がっていきます。隣り合うゾーンは互いに反対の作用をします。第1フレネルゾーンが確保されていれば自由空間での電波伝搬の理論値に近い結果となります。また、第1フレネルゾーン半径の60%以上が確保できれば、理論値とあまり差異がありません。

例えば、400MHz・1,000mの距離を通信する場合、フレネルゾーン半径は13.2m、半径の60%は7.9mとなります。

アンテナの高さが15m

上図のようにお互いのアンテナの高さが15mの場合、フレネルゾーンが100%確保されている状態です。

上図のようにお互いのアンテナの高さが3mの場合、フレネルゾーンの下部がほとんど確保されていない状態となりますので、6dB程度ロスをしている状態です。

実際には、フレネルゾーンは上下だけでなく左右にも広がりますので、立体的に十分確保しないといけません。

フレネルゾーンは使用する周波数と距離により異なります。周波数が高く(波長が短く)またはお互いの距離が短くなればなるほど、フレネルゾーン半径は小さくなります。

実際の無線ソリューションを設計する時、理想的な見通しを確保することは困難ですが、できるかぎり見通しの良い場所に設置することが望ましいです。アンテナの設置についてはフレネルゾーン以外に、ハイトパターンなど他の要素も含めて考える必要があります。

送信と受信側の最短距離:d(m)
回転楕円体の中央部の半径(フレネル半径):r1(m)
送信側と回転楕円体中央までの距離:d1(m)
受信側と回転楕円体中央までの距離:d2(m)
フレネル半径部分で反射する反射波と直接波の経路差:d3(m)
波長:λ(m)

$$d3=\sqrt{d1^2+r1^2}+\sqrt{d2^2+r1^2}-d=\frac{\lambda}{2}$$

フレネル半径r1(m)は

$$r1(m)=\sqrt{\lambda\frac{d1d2}{d1+d2}}=\frac{\sqrt{\lambda d}}{2}$$

相澤孝美 編 電波伝搬ハンドブック、リアライズ社 P.19より引用