導入事例

土石流センサーの無線化で施工コストを大幅削減。429MHz LoRa®通信モジュール「SLR-429M」が実現した最大10kmの長距離警報システム導入事例

土石流センサーの無線化で施工コストを大幅削減。429MHz LoRa®通信モジュール「SLR-429M」が実現した最大10kmの長距離警報システム導入事例

概要

河川上流部における土砂災害警戒システムにおいて、従来の有線式および特定小電力無線(FSK・MSK)の課題を、LoRa®技術を搭載した無線モジュール「SLR-429M」で解決した事例です。

・導入前の課題:有線ケーブル敷設による施工コスト・工期の増大、および従来無線の通信距離不足。

・選定の理由:障害物に強い429MHz帯と、最大10kmの長距離伝送を可能にするLoRa®変調方式の採用。

・導入後の効果:配線工事不要によるコストダウンと、最大10km離れた地点への迅速な異常信号伝達(約1.2秒)の実現。

システム概要

河川上流に張られたワイヤーセンサーが土石流により断線すると、送信機が断線信号をLoRa通信で下流の受信機に送ります。断線信号を受け取ったLoRa受信機は警報機(サイレン・回転灯)を動作させて土石流の発生を付近に知らせ、住民や作業員の避難を促します。

基本システムと他オプション機器(メール通報装置、雨量計、屋内用警報機、個別通報装置、WEBカメラなど)と組み合わせて安全管理システムを構築することが出来ます。

土石流システム設置例

導入前の課題

1. 有線ケーブル敷設に伴う膨大な施工コストと工期

・河川上流の険しい地形にワイヤー式土石流センサーを設置する場合、長距離の有線ケーブルを敷設する必要があり、多額の施工費用と長い工期が大きな負担となっていました。

2. 従来の無線方式(FSK)における通信距離の限界

・従来の特定小電力無線(FSK・MSK)はLoRa®よりも通信距離が比較的短く、現場によっては設置場所に制限が付く状態でした。

選定理由

株式会社シンク・フジイ様には、過酷な環境下でも安定した長距離通信を持できる点をご評価いただきました。

・429MHz LoRa®の採用:一般的な920MHz帯よりも回折性が高く、山間部などの障害物が多い環境でも電波が届きやすい429MHz帯を採用している点。

・圧倒的な通信性能:従来のFSK方式と比較して数倍、見通しで約10kmという広域な通信が可能な点。

・容易なシステム構築:配線工事が不要で、既存のセンサーに組み込むだけで容易に無線化・省力化が図れる点。

【関連製品】

SLR-429M

導入後の効果

「SLR-429M」の導入により、土石流検知から警報までのレスポンスとシステムの柔軟性が飛躍的に向上しました。

・迅速な警報伝達:ワイヤー断線などの異常信号を、最大10km離れた拠点へわずか約1.2秒で伝達。迅速な避難誘導や状況把握が可能になりました。

・柔軟なシステム運用:受信機側で複数の送信機IDを個別に識別できるため、複数の設置ポイントを一元管理できます。

・拡張性の確保:パトライトやブザーなどのオプション機器との連携も容易になり、現場のニーズに合わせた柔軟な警報システムの構築が実現しました。

今後の展望

株式会社シンク・フジイ様は、今回の無線化成功をモデルケースとし、さらなる防災ソリューションの展開を目指されています。今後は、土石流センサーのみならず、水位計や傾斜計など他の観測機器との統合も視野に入れ、より低コストで高信頼な広域防災ネットワークの普及を推進される予定です。

まとめ

本事例では、土砂災害対策における「通信距離」と「施工コスト」という二大課題に対し、弊社の429MHz LoRa®無線モジュール「SLR-429M」が決定的な解決策となりました。

見通し10kmの長距離通信と障害物に強い特性を活かすことで、従来の有線敷設やFSK無線では困難だった環境下でも、迅速かつ確実な警報システムの構築を支援いたしました。弊社は今後も、過酷な現場のニーズに応える無線ソリューションを提供し続けてまいります。

お客様プロフィール

会社名株式会社シンク・フジイ
事業内容・地質調査機器を中心としたハードウエアの開発および販売
・地質調査の支援を中心としたソフトウエア開発および販売
・各分野機器等の開発受託業務
・土木調査機器・安全管理機器等の開発および販売
URLhttps://sites.google.com/view/thinkhp/

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