電波伝搬特性(自由空間&2波モデル)計算ツール

周波数・送信電力・距離などのパラメータを入力することにより、自由空間および、2波モデルの電波伝搬特性の計算ができます。

基本入力項目

❶ あなたの使う無線の周波数をMHz単位で入力してください

周波数  MHz

❷ 送信電力をdBm単位で入力してください

送信電力  dBm --> 

❸ 通信距離をm単位で入力してください

距離  m

詳細入力項目

❹ アンテナの高さ

送信側  m

受信側  m

❺ アンテナの利得

送信側  dBi

受信側  dBi

 対数/真数

電波伝搬特性計算(自由空間&2波モデル)について

自由空間

何もない仮想空間。反射が発生しないため、受信電力は理論値の距離の2乗で減衰します。

自由空間モデル

2波モデル

全反射する平面大地がある空間。受信点では直接波と大地反射波の2波が到来し互いに干渉します。直接波と大地反射波が逆位相となる点では互いに打ち消し合い受信電力は小さく(デッドポイント)なります。受信電力が落ち込むポイントは数メートルの近傍で多く発生します。落ち込む点を避けるため、場所を移動させて受信電力の大きいところに設置する必要があります。周波数が高い(波長が短い)ほど近距離で受信電力の落ち込みが発生しやすくなります。2波モデル

※ 実フィールドでは大地反射の以外にもビル反射や山岳反射などのマルチパス(遅延波)が発生するため複雑になります。

 

計算ツールで使用している数式

電波の伝搬損失量 Loss(dB)

周波数f (MHz)の送信機から距離d(m)点での電波の伝搬損失量Loss(dB)は、



$$Loss(dB)=20\log(\frac{4πd}{λ})$$

$$λ=\frac{c(^m/_s)}{f(MHz)}=\frac{3\times10^8}{f\times10^6}$$

2波モデル

自由空間における電波伝搬特性を受信電界強度と受信電力で示した、最も簡単な2波モデルで解析するツールです。

送信アンテナ高 ht(m)

受信アンテナ高 hr(m)

送信アンテナと受信アンテナ間の距離d(m)

直接波と反射波の経路差r(m)


$$r(m)=\sqrt{d^2+(h_t+h_r)^2}-\sqrt{d^2+(h_t-h_r)^2}$$

下式を用いて、直接波に対する距離d(m)地点の電界強度E(dBV/m)をベースに、


$$E(^{dBV}/_m)=20\log\biggl(\frac{\sqrt{30p_tG_t(倍)}}{d}\biggr)$$

経路差r(m)を波長の位相差に換算して変換して、距離d(m)によって変化する合成波の電界強度Er(dBV/m)を求めます。

更に、環境による損失Le(dB)を考慮できるようにしておきます。

$$E_r(dBV/m)=20\log\biggl[2E\ sin(\frac{\pi r}{\lambda})\biggr]-20logLe$$

EはdB単位のためV/mの場合、

$$Er(dBV/m)をEr(倍) =10^{E_r(dBV/m)}/_{20}\ で換算$$

Pointing Vector

$$P_u(W/m^2)=\frac{E^2_r}{120\pi}$$

アンテナの開口面積

$$A_e(m^2)=\frac{\lambda^2}{4\pi}G_r(倍)$$

$$P_r(dBW)=10\log\biggl\{\biggl(\frac{^{Er^2}(^V/_m)}{120\pi}\biggr)\biggl(\frac{\lambda^2G_r(倍)}{4\pi}\biggr)\biggr\}$$

電子情報通信学会 編
アンテナ工学ハンドブック 第1版、オーム社(1980)P.443より引用
後藤尚久・中川正雄・伊藤精彦 共編
アンテナ・無線ハンドブック、オーム社(2006)P.67より引用