奥村・秦カーブ 計算ツール

周波数・送信電力・距離などのパラメータを入力することにより各環境ごとに目安となる電界強度/受信電力の計算ができます。

基本入力項目

❶ あなたの使う無線の周波数をMHz単位で入力してください

周波数  MHz


❷ 送信電力をdBm単位で入力してください

送信電力  dBm --> 


❸ 通信距離をKm単位で入力してください

距離  km


詳細入力項目

❹ アンテナの高さ

送信側  m

受信側  m

❺ アンテナの利得

送信側  dBi

受信側  dBi

 対数/真数

 電界強度/受信電力

奥村 – 秦カーブとは?

奥村 – 秦カーブ(奥村 – 秦モデル)は奥村善久氏がマイクロ波・移動無線(自動車電話)・セルラーの開発段階で無線機器の電波伝搬特性を開放地、郊外、中小都市、大都市の異なる環境で実測した集計データを元に作成した近似したカーブ(モデル)です。携帯電話網の構築に活用され、現在でも幅広く使われています。

このカーブは中・長距離での活用を目的としている為、無線機器間が数十メートルの近距離では差異が大きくなります。また選択する環境によっても結果が異なるため、あくまで受信電力のマージンを確認するための目安のひとつとしてお使い下さい。

 

計算ツールで使用している数式

電波伝搬損失Loss(dB)の近似に用いる基本式


$$Loss(dB)=A+Blog(d)-\alpha +C$$

周波数:f(MHz)

通信距離:d(km)

基地局のアンテナ高:hb(m)

移動局のアンテナ高:hm(m)

共通パラメータ


$$A=69.55+26.16 \log⁡[f(MHz)]-13.82 \log⁡\bigl[h_b (m)\bigr]$$


$$B=44.9-6.55 \log⁡⁡\bigl[h_b (m)\bigr]$$

利用条件により異なるパラメータ

// 開放地 //


$$\alpha=\bigl\{1.1 \log⁡[f(MHz)] – 0.7 \bigr\} h_m (m)-\bigl\{1.56 \log⁡[f(MHz)] – 0.8 \bigr\}$$


$$C=-4.78\bigl\{\log⁡[f(MHz)]\bigr\}^2+18.33 \log⁡[f(MHz)]-40.94$$

// 郊外 //


$$\alpha=\bigl\{1.1 \log⁡[f(MHz)] – 0.7 \bigr\} h_m (m)-\bigl\{1.56 \log⁡[f(MHz)] – 0.8 \bigr\}$$


$$C=-2 \biggl\{\log⁡\biggl[\frac{f(MHz)}{28}\biggr] \biggr\} ^2-5.4$$

// 中小都市 //


$$\alpha=\bigl\{1.1 \log⁡[f(MHz)] – 0.7 \bigr\} h_m (m)-\bigl\{1.56 \log⁡[f(MHz)] – 0.8 \bigr\}$$


$$C=0$$

// 大都市 //

f ≦ 400MHzの場合


$$\alpha=8.29\biggl\{ \log⁡⁡\biggl[1.54h_m (m)\biggr] \biggr\}^2-1.1$$

f ≧ 400MHzの場合


$$\alpha=3.2\biggl\{ \log⁡⁡\biggl[11.75h_m (m)\biggr] \biggr\}^2-4.97$$

いずれの場合も

$$C=0$$

 

近似可能な条件

周波数f(MHz):150MHz ~ 1.5GHz

通信距離d(m):1km ~ 20km

基地局のアンテナ高 hb(m):30m ~ 200m

移動局のアンテナ高hm(m):1m ~ 10m

後藤尚久・中川正雄・伊藤精彦 共編
アンテナ・無線ハンドブック、オーム社(2006)P.63,64より引用