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電波法について

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電波は限りのある人類の共有財産です。
データなどを電波で伝送するには一定の周波数帯域幅(占有周波数帯域)が必要になり、一般的に、同一エリアで同一周波数チャンネルを使用すると干渉を起こしてしまい、お互いに通信することが出来ません。個人や団体、国がそれぞれ勝手に電波を発射すれば社会生活を混乱させ、これは国際問題にもなってしまいます。
このような理由から、電波は日本国内は勿論、国際的にも管理されています。
電波法第1条の「目的」では、「電波の公平かつ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進する事を目的とする」と明記されています。電波を仕様する人はこの事を念頭において利用しなければなりません。
電波法は基本的な事柄が規定されていますが、この分野の技術は日進月歩で将来に渡るところまでは規定することが出来ません。従いこの電波法の規定に基づいた詳細を定める必要があり、内閣で定める政令や総務省で定める省令などで現状に沿った法律にしています。

法 律 電波法
政 令 無線従事者操作範囲令、電波法関連手数料令
省 令 電波法施行規則、無線局免許手続規則、無線設備規則、無線従事者規則、
無線局運用規則、無線局(放送局を除く)の開設の根本的基準

◆免許の不要な無線局   ページTOP
電波法4条の但し書きに「免許の不要な無線局」が定められており、電波法施行規則第6条、総務大臣の告示では次のように規定されています。 

[Ⅰ]発射する電波が著しく微弱な無線局(電波法4-1、電波法施行規則6-1)

微弱無線機器には以下のものがあります。① 無線設備から3メートル離れた距離の電界強度が、使用する電波の周波数において規定された値以下である無線局で、周波数や方式、用途などについて制限はありません。通常、微弱無線局と呼ばれています。施行規則では以下の表のように周波数別の電界強度が数値で示されています。

周波数帯 電界強度
322MHz以下 毎メートル500マイクロボルト
322MHzを超え10GHz以下 毎メートル35マイクロボルト
10GHzを超え150GHz以下 次式で求められる値(毎メートル500マイクロボルトを超える場合は、毎メートル500マイクロボルト)
 式:  毎メートル3.5fマイクロボルト
fは、GHzを単位とする周波数とする。
150GHzを超えるもの 毎メートル500マイクロボルト

② 当該無線局の無線設備から500mの距離において、その電界強度が毎メートル200マイクロボルト以下のものであって、総務大臣が用途並びに電波の型式及び周波数を定めて告示するもの。
用途としては模型飛行機、模型ボートなどのこれらに類するもの、ラジオマイク用とされています。周波数は20MHz帯、40MHz帯、70MHz帯の中で規定されていてラジコン用として産業の用途のものもあります。

[Ⅱ]市民ラジオの無線局(電波法4-2、電波法施行規則6-3)   ページTOP

26.9MHz~27.2MHzの周波数帯を使用した、空中線電力が500mW以下の無線局のうち総務省令で定めるもので、技術基準適合証明を受けた無線設備を使用する場合です。電波型式はA3Eです。CB無線と呼ばれています。

[Ⅲ]空中線電力が0.01W以下である無線局(電波法4-3、電波法施行規則6-4、総務大臣の告示)

無線設備の空中線電力が10mW以下のもので、総務省令で定める「呼び出し符号あるいは呼び出し名称を自動的に送信する又は受信する機能」などを有し(一部の無線設備で必要となります)、他の無線機の運用を阻害することの無いもので、かつ技術基準適合証明を受けた無線設備を使用する場合は無線局免許の申請手続きが要りません。これに該当するものは次の通りです。
これらの機器はARIBの標準規格に準拠し、登録証明機関で発行する技術基準適合証明を受けなければなりません。

コードレス電話の無線局
特定小電力無線局
小電力セキュリティシステムの無線局
小電力データ通信システムの無線局
デジタルコードレス電話の無線局
PHSの陸上移動局
有料道路自動料金収受システムの陸上移動局
ワイヤレスカードシステムの無線局

電波法施行規則ではさらに「総務大臣が別に告示するものに適合するもの」に該当することが求められています。

②の特定小電力無線局の場合   ページTOP
総務大臣の告示で用途、電波の型式、周波数、空中線電力が規定され、次のようなものがあります。

テレメータ用、テレコントロール用、データ伝送用
医療用テレメータ用
無線呼出し用
ラジオマイク用
補聴援助用ラジオマイク用
無線電話用
音声アシスト用無線電話
移動体識別用
ミリ波レーダー用
ミリ波画像、、データ伝送用
移動体検知センサー

1のテレメータ用、テレコントロール用、データ伝送用には400MHz帯と1200MHz帯の周波数が割り当てられ、さらにその占有周波数帯域別に詳細が規定されています。準拠するARIBの標準規格はSTD-T67です。④小電力データ通信システムの無線局
主としてデータ伝送のための無線局であり、使用周波数は2400MHz~2483.5MHz、2471MHz~2497MHzが定められています。
この無線局に該当するものにはスペクトラム拡散通信を使った無線LANやBuletoothなどがあります。この周波数帯にはデータ通信向けの多くの無線機器があります。準拠するARIBの標準規格はSTD-T66、STD-33などです。

電波法で禁止されていること

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電波法では無線機器に対して行ってはいけないことが色々あります。これは機器設計者が守るべき事でもあり、同時にユーザーに対してもそのような事を行わないように説明書などに明記して下さい。詳しくは電波法をご覧下さい。

●分解、改造を行ってはいけません
送信機のアンテナは改造したり、取り替えたりしてはいけません。これは、高利得のアンテナやブースタで送信機出力を上げた違法無線機の使用を禁止するためです。また、送信機の出力を上げるなどの改造はしてはいけません。

●技術基準適合証明ラベルの無いものは使用できません
技術基準適合証明を取得していない機器は使用することが出来ません。海外製無線モジュールを組み込む場合や、海外製品を日本国内で使用する場合は、必ず技術基準適合証明を取得してください。
また、技術基準適合証明済み特定小電力機器のラベルは剥がさないで下さい。

●罰則
電波法では改造などに対する罰則として第9章の第110条に、[次の各号の1に該当する者は、1年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。]と明記されています。その他にも禁止されている事がたくさん有り、取り扱い説明書などに電波法を守って運用する必要があることを明記する必要があります。 

法手続きについて

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電波法に定めるところの、技術基準に適合していると認められることを証明するのが、技術基準適合証明(技適証明)や工事設計認証です。この証明業務は総務大臣が登録した登録証明機関で行い、ここで行う試験を通過する必要があります。
この証明は一般的には無線機器製造業者あるいは販売業者が機種ごとに証明を受ける必要があり、電波法及びARIBの標準規格に則り設計された無線機を登録証明機関に持ち込み、技術基準適合試験を受け証明を取得する必要があります。その後、初めて製品として販売することができます。技適証明の無い無線モジュールを組み込み込んだ機器を製造する場合は、機器として証明取得が必要です。
 微弱無線機器については、登録証明機関で行う性能証明を取得してあることを謳うことで、ユーザーは安心して購入できます。

以上、法手続きについて説明してきましたが、無線組み込み機器設計の段階では、電波法と(社)電波産業会:ARIBの標準規格を十分把握して取り掛かる事が必要です。 

なお、技術基準適合証明(工事設計認証)を取得してある弊社無線機は、上記手続きを行わなくても、そのまま機器に組み込んでご使用いただけ、無線局免許の申請手続きが必要ありません。

登録証明機関と技術基準適合証明、性能証明について

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登録証明機関

総務大臣が登録する登録証明機関は以下ページをご覧ください。平成26年9月時点では14法人が登録されています。
http://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/equ/tech/

技術基準適合証明について

全ての無線機器は電波法に基づいて製造されていなければなりません。登録証明機関では無線機器が規格を満足しているか審査し、この試験をパスした機器に対して技術基準適合証明番号を与えます。この認定には技術基準適合証明と工事設計認証の二つの方法があります。前者は機器1台ごとにあるいは抜き取りで行なわれ、後者はメーカ等で製造する機種ごとの認可となります。認定に当たっては申請書、測定結果、設計書、ブロック図などを添付します。
適合証明を受けてある機器でも、仕様変更などがあった場合は、そのつど適合証明を受けなければなりません。

技術基準適合証明番号の表示

専門業者(製造、販売業者)は、証明番号と証明マークを機器に表示し、ユーザーに対して技術基準適合証明取得済みであることを知らせます。

技術基準適合証明取得済みの特定小電力機器の証明番号の表示
技術基準適合証明取得済みの特定小電力機器を機器に組み込んだ場合、その証明番号と証明マークは機器本体へ表示してはいけません。

無線設備の特性試験方法
登録証明機関では特性試験方法についての詳細をまとめた図書を販売しています。
登録証明機関に被試験機器を持ち込む前に、この試験項目について性能確認しておく必要があります。

<参考>
特定小電力無線局(テレメータ、テレコントロール、データ伝送)の無線設備の技術基準適合証明に係わる試験項目には、次のような項目があります。

①送信装置  周波数、占有周波数帯域幅、スプリアス発射の強度、空中線電力、隣接チャンネル漏えい電力
②受信装置  副次的に発する電波等の限度
③その他の装置  混信防止機能、送信時間制限装置、キャリアセンス

性能証明について

微弱電波機器を組み込んだ機器は、基準さえ満たしていれば自由に使うことができますが、登録証明機関で行なう性能証明を受けると、ユーザーに対して性能上の安心感を与えることができます。

手引き、申請などについて

登録証明機関のWebページにはこれら証明のための手引きや申請書類などがダウンロードできますので活用して下さい。

ARIBと標準規格について   ARIB Webページ : http://www.arib.or.jp/

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 ARIBの概要

●ARIB 標準規格 “まえがき”より抜粋してみました。
社団法人電波産業界は、無線機器製造者、電気通信事業者、放送事業者及び利用者等の参加を得て、各種の電波利用システムに関する無線設備に標準的な仕様等の基本的な要件を「標準規格」として策定している。
標準規格は、周波数の有効利用及び他の利用者との混信の回避を図る目的から定められる国の技術基準と、併せて無線設備の適正品質、互換性の確保等、無線機器製造者及び利用者の利便を図る目的から策定される民間の任意基準をとりまとめて策定される民間の規格である。

●ARIBのWebページ “ARIBとは”より抜粋してみました。
当会は、総務大臣からの電波法の規定による「電波有効利用促進センター」としての指定を受け、通信・放送分野における電波の有効利用に関する調査研究、研究開発、標準化などの事業を行うとともに、電波をより高密度に利用する為の電波の周波数の調整などを行うコンサルティング、関連外国機関との連絡・協力などの事業を、総務省のご支援と電気通信事業者、放送事業者、無線機器製造事業者、電波関係団体などのご参加を得て、実施しています。

 ARIBの標準規格について

(社)電波産業界で定める標準規格は民間規格ですが、これは電波法に基づいており、ユーザーと製造業者の利便を図る目的で策定されたものです。貴重な電波をお互いに有効利用するために、共通ルールの下に無線機器を製造、販売される事が望まれます。
標準規格はARIBのホームページでご覧頂けますので、設計に役立てて下さい。

関連URL:http://www.arib.or.jp/tyosakenkyu/kikaku_tushin/index.html

標準規格について関係する主だったものを挙げて見ます。

STD-T67 特定小電力無線局400MHz帯及び1,200MHz帯テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備
STD-T99 特定小電力無線局150MHz帯動物検知通報システム用無線局の無線設備
STD-T96 特定小電力無線局950MHz帯テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備
STD-T93 特定小電力無線局315MHz帯テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備
STD-21 特定小電力無線局 医療用テレメータ用無線設備
STD-T66 第二世代小電力データ通信システム/ワイヤレスLANシステム
STD-33 小電力データ通信システム/ワイヤレスLANシステム
STD-30 小電力セキュリティシステムの無線局の無線設備


などがあります。

<参考>
 「データ伝送システム(RCR STD-2)」、「テレメータ/テレコントロールシステム(RCR STD-4)」、「特定小電力テレメータ用及びテレコントロール用無線設備(RCR STD-16)」、「特定小電力無線局400MHz帯データ伝送用無線設備(RCR STD-17)」、「特定小電力無線局1200MHz帯データ伝送用無線設備(RCR STD-18)」はARIB STD-T67に統合されました。

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