
登録証明機関(TELEC等)で行なう特定小電力無線機器の技術基準適合証明や認証における試験項目には次のような項目があります。TELEC等に持ち込む前にこれらについてクリアしていなければなりません。
※TELEC:(財)テレコムエンジニアリングセンター
この試験にはスペクトラムアナライザ、標準符号化試験信号発生器、パワーメーターなどが使われます。
①送信装置
周波数、占有周波数帯幅、スプリアス発射の強度、空中線電力、隣接チャンネル漏えい電力
②受信装置
副次的に発する電波等の限度
③その他の装置
混信防止機能、送信時間制限装置、キャリアセンス
◆一般条件
ここでは、(1)通信方式、(2)通信の内容、(3)電波型式、(4)使用周波数、(5)周波数切替方式、(6)使用環境条件が規定されています。
(1)通信方式は単向、双方向、単信などのことです。
(2)通信の内容はテレメータ、テレコントロール、データ伝送となっています。
(3)電波形式については「設計上の知識:電波型式について」を参考にして下さい。
(4)使用周波数は400MHz帯、1200MHz帯で詳細が規定されています。
◆送信装置
ここでは、(1)空中線電力、(2)空中線電力の許容偏差、(3)発振方式、(4)周波数の許容偏差、(5)変調方式、(6)周波数偏移、(7)変調速度、(8)符号形式、(9)隣接チャンネル漏えい電力、(10)占有周波数帯幅の許容値、(11)スプリアス発射の強度の許容値、(12)送信立ち上がり及び立下り時間が規定されています。
◆受信装置
ここでは、(1)符号基準感度、(2)実効選択度におけるスプリアス・レスポンス、(3)実効選択度における隣接チャンネル選択度、(4)局部発振器の周波数変動、(5)副次的に発する電波等の限度が規定されています。
◆制御装置
特定小電力機器は次のような制御装置や機能を備えていなければなりません。
電気通信回線に接続して使用する場合は対応が違ってくる場合があります。
※ここに出てくる識別符号とは、通信の相手を識別するための符号であり、電波法第8条-1-3で規定する識別信号以外のもので任意のものです。
| 混信防止装置 | ●電気通信回線に接続する場合 主として同一構内で使用する場合で、通信の相手を識別するための識別符号を自動的に送信するか受信する機能がなければなりません。 ●電気通信回線に接続しない場合 電気通信回線に接続しない場合は「主として同一構内で使用する場合で通信の相手を識別するための識別符号を自動的に送信し、または受信する機能」あるいは「ユーザーによる周波数の切り替え又は電波の発射の停止が容易に行なう事が出来る機能」のいずれかが必要となります。 |
| 通信相手の識別 | 電気通信回線に接続するものは、受信した電波から通信の相手の無線局の識別符号を検出する必要があります。 |
| 送信時間制限 | 使用するチャンネルによっては送信時間制限があります。一度電波を発射してから次の電波を発射するまでの事を規定してあります。 ●送信時間制限装置とは次のいずれかです。周波数チャンネル毎に時間が規定されています。 1、電波を発射してから規定送信時間内にその電波の発射を停止し、かつ、送信休止時間を経過した後でなければその後の送信を行なわない機能を有する装置。 2、通信時間を自動的に規定送信時間内に制限し、かつ、通信終了後送信休止時間を経過しなければその後の通信を行なわない機能を有する装置。 ※400MHz帯、1200MHz帯には送信時間制限があるチャンネルと連続送信が出来るチャンネルがあります。 |
| キャリアセンス機能 | 電波の有効利用の目的から電波法では送信機は送信を開始する前にそのチャンネルが他の無線機で使用されていないか調べて、もし使用されていれば他のチャンネルに切り替えて再度チェックを行い空きチャンネルであったら初めて電波を発射することができます。従って送信機には必ず受信機能が含まれています。 空きチャンネルかどうかの判定は絶対利得が2.14dBのアンテナに誘起する電圧が7μV(400MHz帯)、4.47μV(1200MHz帯)とし、20mSec以内の応答時間とされています。 ※キャリアセンスが必要ないチャンネルもあります。STD-T67以外でもキャリアセンスが必要ないものもあります。 |
◆アンテナ
(1)アンテナの構造
アンテナの構造は、給電線及び接地装置を有しないものとする。
(2)アンテナの利得
等価等方輻射電力が絶対利得2.14dBの送信空中線に0.01W(426.025MHz以上426.1375MHz以下の周波数の電波を使用するものにあっては、0.001Wとする。)の空中線電力を加えたときの値以下となる場合は、その低下分を送信空中線の利得で補うことができるものとする。
(3)アンテナの使用区分
送信用及び受信用の空中線は、それぞれ個別のものとしても良いこととする。ただし、受信用とキャリアセンス用のアンテナは同一のものとする。
◆その他
(1)筐体
無線設備は一つの筐体に収められており(集中基地局等に使用する空中線共用器も含む)、かつ、空中線端子を備えず、容易に開ける事が出来ないこと。
ただし、次に示すものは、この限りでない。
ア 電源設備
イ 制御装置
ウ 送信装置及び受信装置の動作の状態を表示する表示器
エ 音量調整器及びスケルチ調整器
オ 周波数切替装置
カ 送受信の切替器
キ 付属装置その他これに準ずるもの
(2)技術基準適合証明に係わる表示
無線設備の見易い箇所に規定された様式の技術基準適合証明に係わる表示を行なうこと。
(3)附属装置とのインターフェース
無線設備と附属装置とのインターフェースは規定しない。
(4)安全性・信頼性
ア データ信号に冗長性及び誤り検定機能を考慮すること。
イ システムの設計及び運用に当たっては、混信、干渉妨害等を十分考慮すること。